副腎疲労という病気はない?

「副腎疲労」という言葉を知っていろいろ調べてみた私ですが、一つ疑問がありました。YouTube等で副腎疲労を解説する医師がいない。解説しているのは主に管理栄養士。またYouTube動画の解説では引用文献・参考文献が表示されないので、何を根拠に話しているのかもわかりません。

yuri-fl.hatenablog.com

少し調べてみると、「副腎疲労」は医学用語ではないということがわかりました。でも、そもそも「医学用語ではない」ということはどういうことかも、少し調べようと思います。

自称副腎疲労の人

2019年9月 "副腎疲労症候群"にかかる人たち|大阪・梅田の太融寺町谷口医院 谷口恭のマンスリーレポート

著者の医院に自分は副腎疲労症候群だという女性が受診したが、その女性は仕事で全国を飛び回り、海外旅行やゴルフを楽しんでいることから、筆者は医学的な介入が必要な疲労があるとは思えないと考え伝えたら、怒って去っていったというエピソード、副腎疲労と診断されて内服ステロイドを処方されている女性のエピソードなどがあります。

medical.nikkeibp.co.jp

同じ方の別の記事です。私は医療従事者ではないので最後まで読めません。

副腎疲労という医学用語は存在しない

www.gohongi-clinic.com

こちらの記事にありますが、「副腎疲労」「副腎疲労症候群」という言葉は医学用語ではないとのことです。医学用語でない場合はあまり信頼できない病名ということになると思うのですが、では医学用語はどこで定義されているのか、疑問に思いました。

この記事で紹介されている以下の文献も、そのうち読めたらなと思います。

We are tired of 'adrenal fatigue'

Adrenal fatigue does not exist: a systematic review

Is adrenal fatigue "real"? - Harvard Health

疾病、傷害及び死因の統計分類

国として認められている病名としては、この「疾病、傷害及び死因の統計分類」のなのかなと思います。どう読めばよいかはわかっていませんが、とりあえず「基本分類表」というエクセルファイルにない病名は、日本で病名として認められていない、のかな?いつか詳しく調べられたらと思います。

www.mhlw.go.jp

疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)

上記の「疾病、傷害及び死因の統計分類」はWHO(世界保健機関)で定めている「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)」という分類に準拠しているそうです。

ICD-11

「ICD-11 Browser」というリンクから、病名の検索ができます。ここで表示されている病気が、WHOで認められている病気で、それ以外は認められていない、ということになるのでしょう。「副腎疲労」「adrenal fatigue」はこのような公的なものに分類されていないということですね。

私の「副腎疲労」への態度

私は「副腎疲労」というものが実際にあるかどうかについては、半分信じていて、半分信じていません。数冊書籍を読みましたが、まず診断するのが難しいと感じます。唾液検査でコルチゾール濃度を調べるというものがあるようですが、「この値だと副腎疲労です」という明確な数値が設定されていないようです。また、身近な医療機関で診断・治療ができないため、診断と治療法の確立された病気だと信じるのは難しいです。

しかし、副腎疲労の症状とされるもののリストを読むと、非常に自分に当てはまっており(小学生・中学生当時の自分に特によく当てはまる)、この症状がなくなって欲しいので、こういう状態があり、対処法があると信じたいところがあります。

もともと私はあまり健康に気を遣う生活を送ってはいなかったものの、早寝早起き、腹八分目、野菜とタンパク質をしっかり摂る自炊中心、お菓子の暴食もなし、であまり不摂生はしていないと思っていたのですが、平均的な人より圧倒的に体力がなく、疲れやすいと感じる人生でした。なので「副腎疲労」の概念を知った時、もしかして私にも体力と気力に満ちた人生を送れるのでは?という希望を持ちました。

最近は、私の問題は体の血糖値コントロールの不調にあるのだと考えるようになったので、あまり副腎疲労に注目はしなくなりましたが、そもそも血糖値が心身の健康に影響するということを知ったのは副腎疲労という概念を知ったおかげなので、その点で副腎疲労を知って良かったと思っています。また、副腎疲労の本にある食事療法やその他の生活習慣の改善が普通に健康に良さそうなので、今後も大いに参考にすると思います。